Column #3: 外交力って何だろ?
(1998年ごろの記事)
実は、私は新聞を読まないので、世間のニュースにはかなり疎いです。芸能は別ですけどね。
それでも「コソボ紛争」とかいう紛争がこのとこ大騒ぎになってるのは知ってます。アメリカだけじゃなくてNATOまで軍事介入するなんて、ずいぶん景気のいい話です。ヨーロッパ全体でアジア方面に軍を送り込むなんて、十字軍以来でしょうね。
やっと最近になって終結したようですが、この紛争の間ずっと、ソ連(いや、ロシア)とか、どっかの小国が「仲介役」として割り込んできましたよね。自国の経済になんの得もないのに、なんでこんな国々が戦争にからんでくるんでしょ?
それは、「仲介」をすることが国際社会で「カッコイイ」と思われれているからにほかなりません。
この傾向は、米国のジミー・カーター政権以降、世界中の紛争に介入して、「わたしたちのおかげで戦争が終わったでしょ」と恩を売る&見栄を張る戦略に由来します。なにせ、現政権のクリントン大統領に至っては中東和平でノーベル平和賞を取りそうだったんですから(モニカって奴ぁ・・・)。
じゃ、日本はどうかっていうと、「交渉術」を知らない国なんでしょうか、ぜんぜん仲介とか調停ということをする気がないように見えますね。当然、アジア諸国に対しては二次大戦の名残があって、調停とかの介入に入れないという部分もあるのでしょう。それにしても、もうちょっと調停役に回ってもいいもんじゃないでしょうか。
アメリカだって、なにも「下町の世話好きのおばちゃん」になりたくて調停をしてるわけではないのです。紛争が収まれば、その地域の経済が発展するわけで、そこに新たな「市場」が生まれて、アメリカ製品を売り込もう、という考えがないわけがありません。
東アジアの至る所で紛争が起きてますが、これらが解消されたらどんなに日本の輸出市場が拡大するでしょう? もともと技術力のないような国が紛争に関わってるわけですから、洗剤だろうが、コンピュータだろうが、なんでも売りつけられるわけです。
そう考えると、外交力っていうのは、自国経済の拡大を目指した「交渉力」ってことになると思うのですが、論理が飛躍しすぎてるかな。