2011年度 交渉と合意
水曜日 2限 | 3限
(週2回、同じ内容で開講)
■大学院公式サイトへのリンク
交渉学の基礎と、公共政策への応用による合意形成論の基礎について、座学と実習の組み合わせで体得していただきます。講義の趣旨については上記リンクからシラバスをご覧ください。
また、教育のコンセプトについては、 東京大学広報誌「淡青」第23号23ページをご覧ください。
シラバス(予定)
第1部(第1回) 「交渉と合意」序論 (4/6)
講義概要と今後の進め方などについて説明、調整する。交渉シミュレーションを通じ意思決定における交渉、コミュニケーションの重要性を体験する(交渉シミュレーション「とにかく勝つ」)。導入として交渉学の成立過程、位置づけなどを説明する。
講義のPPTスライド (PDFファイル)
第2部 交渉のダイナミズムと基本的枠組
第2回 交渉学序論と分析の方法論 (4/13)
交渉の戦略立案と分析(反省)に欠かすことのできない交渉の理論を解説する。
講義のPPTスライド (PDFファイル)
第3回 交渉シミュレーション「桜井さんvs.小池さん」 (4/20)
2者間1イシューゲームを通じ、最初のオファー、価値分割、複数イシューの重要性などについて理解を深める。
第4回 交渉の進め方、第2部のまとめ (4/27)
交渉学の基礎について復習の後、相互利益志向ではない古典的な交渉戦略について概観した上で、その対応策として、交渉の7要素、相互利益型交渉(mutual gains approach)など交渉の方法論について解説する。
講義のPPTスライド (PDFファイル)
第5回 交渉シミュレーション「水無月開発」 (5/11)
これまでに学んだことがらを実践・試行する場として2者間複数イシューの交渉シミュレーションを行い、パレート改善・最適などについて理解を深める。
第3部 公共政策形成過程における交渉と合意形成
第6回 公共政策における交渉と合意形成 (5/18)
政策形成において必要とされる交渉と合意形成の枠組みと実際について、日本および国際的場面における政策形成の事例等をもとに、その全体像を紹介する。また、市民参加手法等の概要について説明する。
講義のPPTスライド (PDFファイル)
第7回 実践へのアプローチ (5/25)
公共政策形成に必要となる合意形成(利害調整や紛争解決)を、マルチステークホルダー交渉として設計するためのプロセス設計の方法論としての「コンセンサス・ビルディング」とその適用事例、また科学的専門知識活用の方法論としての「共同事実確認」について紹介する。
講義のPPTスライド (PDFファイル)
第8回 実践の技法 (6/1)
合意形成の現場で必要とされるファシリテーションの関連技法(主にラベルワーク)について、体験的にスキルを身につける。
講義のPPTスライド (PDFファイル)
第9回 交渉シミュレーション「ハーボコ」 (6/8)
港湾整備に関する6者間の交渉シミュレーションを行い、公共政策における交渉の特徴について理解を深める。
第10回 「ハーボコ」のふりかえり、中間テスト (6/15)
ハーボコで各自が得た体験を全員でふりかえり、公共政策形成過程で行われる交渉の特徴を整理する。また文献等をもとに、外交問題、環境政策、まちづくりに関する公共的な交渉の特徴について理解を深める。また、これまでの理解を確認するためにマークシート形式の中間テストを行う。
講義のPPTスライド (PDFファイル:受講生のみ閲覧可能)
第11回 交渉シミュレーション「成橋市ホームレス問題」 (6/22)
「メディエーション」を用いた公共政策に関する交渉のシミュレーションを体験し、公共政策分野におけるメディエーターの特徴等について理解を深める。 (ふりかえりレポートなし)
第12回 実践の現場 (6/29)
合意形成の現場で実践されている実務家から、プロセス設計やファシリテーションなどについてお話を伺う。
第13回 価値観に基づく紛争とその解決(7/6)
利害の取引だけでは解決が難しい価値観(value)に基づく紛争の存在について理解し、その解決の方法について検討する。
第14回 まとめ (7/13)
最後に、「交渉と合意」で学んだことがらについて全員でふりかえる。
評価:
平常点(出席)、ふりかえりレポート(3回)、中間テスト、最終レポート
※出席について:初回を除く3回以上の無断欠席(やむを得ぬ事情による欠席で教官の了承を得た場合はこのカウントに含まない)は単位取得の意思がないものと判断する。