政策形成プロセスの国際移転
日本の多くの政策が諸外国の「先進的」政策に影響を受けていることは明らかです。最近では、そもそもどうやって政策をつくるのか、という部分にまで海外の影響が及んできていて、市民参加、合意形成といった分野では多くのアイディアが海外から持ち込まれてきています。しかし、諸外国と日本の間には制度や文化規範といった文脈(Context)の面で違いがあるので、単に海外事例の「モノマネ」をしただけでは事がうまく進まないはずです。そこで「適応化(adaptation)」と「組織変革(organizational change)」という観点から、政策形成プロセスの国際移転はどのように起きているのかについて研究しています。
図: Social Technologyの国際移転と適応化・組織変革のモデル
(出展:Matsuura, M. (2006). Localizing Public Dispute
Resolution in Japan: Lessons from experiments
with deliberative policy-making. Unpublished dissertation, MIT.)
科研費 若手(B)「政策形成プロセスの国際移転過程における適応化と文脈修正に関する研究」(H20~)〔研究代表者〕
海外事例を参考にした政策形成プロセス(制度)導入における適応化と社会変容について研究しており、戦略的環境アセスメント(Strategic Environmental Assessment: SEA)、参加型テクノロジーアセスメント(participatory Technology Assessment: pTA)、規制影響評価(Regulatory Impact Assessment: RIA)について事例調査を進めています。
関連業績:
松浦正浩「政策形成技法としての政策移転ガイドライン:既往研究からの知見(pdf形式)」,
社会技術研究論文集, 7. pp. 171-181, 2010.
(政策移転に関連する既存研究をできるだけ広範に整理しました。また後半では、政策移転の態様を3つのレベルに分けた上で、社会技術しての政策移転の方法論仮説を提示しました。)
コンセンサスビルディング手法の国際移転を実証的に研究した成果をまとめた本です。
Author: Masahiro Matsuura
Publisher: VDM-Verlag
Year: 2008
ISBN: 978-3836435901
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博士論文:Localizing Public Dispute Resolution in Japan: Lessons
from experiments with deliberative policy-making
Submitted to the Department of Urban Studies and
Planning on August 9, 2006 in partial fulfillment of the requirements
for the degree of Doctor of Philosophy in Urban and Regional Planning
- 論文アブストラクト(日本語)
- 論文全文(D-Space
at MIT)
(MIT関係者のみ印刷できます。それ以外は閲覧のみ。)