交渉学
交渉学そのものの内容については拙著「実践!交渉学」(ちくま新書刊)や、「交渉学と合意形成」のページをご覧ください。
研究としては、交渉や交渉教育と、それが置かれた文脈(context)の関係を調べています。交渉の主人公は人間です。そしてわれわれ人間は何らかの社会に所属して生活しています。その結果、交渉も社会のさまざまなルール、規範、制約など(※これらをまとめて文脈といいます)に適合しなければなりません。文脈は、国や地域、業界、年齢層によって異なりますから、文脈が違えば交渉のありさまも違うはずでしょう。交渉学は概して、このような文脈の違いを乗り越えて、共通の理論を見出そうとしてきましたが、共通の理論が異なる文脈に適用されるとどのような課題が出てくるのか、というところに私は興味があります。交渉学の教育(pedagogy)についても同様に、文脈がどう影響するのかを調べています。 (→この関心は「政策形成プロセスの国際移転」に関する研究とも密接に関連しています)
関連業績
- 「実践!交渉学 いかに合意形成を図るか」(単著;ちくま新書)
- 松浦正浩(構成:梶山寿子)「ハーバード流交渉術」雑誌プレジデント, 2007.06
- Masahiro Matsuura (co-authored with Hal Movius, Dong-young Kim, and Jin Yan). "Tailoring the Mutual Gains Approach For Negotiations with Partners in Japan, China, and Korea" Negotiation Journal, 22(3), 2006.
- Masahiro Matsuura. "Teaching Negotiation and Public Dispute Resolution in Japan: A qualitative study on contextual differences." Association of Collegiate Schools of Planning (ACSP) Annual Conference, 2005.10.
関連プロジェクト
- 明治大学ガバナンス研究科講義「公共政策の交渉分析」
- 東京大学公共政策大学院講義 「交渉と合意」
- Consensus Building in Asia (CBAsia)
- 「コンセンサス・ビルディング・プロセスの学習理解に文化的相違が与える影響の質的研究」
〔 (財)松下国際財団 2004年度研究助成→報告(PDF)〕