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事例研究(科学技術イノベーション政策研究)

水曜日 5限

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法文1号館 27番教室

(柴山創太郎特任准教授、鎗目雅特任准教授と共担)

概要:

科学技術イノベーション政策について、官公庁や調査研究機関等において政策形成やそのために必要なエビデンスの構築に携わる能力、科学技術イノベーション政策を研究する能力を涵養する。具体的には、広義の科学技術イノベーション政策について、政策プロセス・制度またはエビデンス構築を対象に、グループワークを中心とした事例研究を行う。各学生には、個別の専門領域に閉じることなく、横断的な協働を通じて問題解決を図り、政策を企画立案分析する素養の体得を期待する。

オムニバス形式による講義(前半)とグループワーク(後半)による科学技術イノベーション政策に関する検討を行う。グループワークについては以下の3つのテーマのなかからひとつを選択して集中的に検討する。

テーマ1:グリーンイノベーターのプロファイル (担当:松浦)  

前政権の新成長戦略や第4期科学技術基本計画では、科学技術イノベーション政策の重点投資対象としてグリーンイノベーションとライフイノベーションが掲げられており、現政権もこの方針を大きく変えることはないだろう。グリーンイノベーションは、多様な、そして時には意外なステークホルダーを巻き込みながら、連携構築と合意形成の後に初めて実現する(PEN)。グリーンイノベーションの現場でリーダーシップを発揮する人々はいったい、どのようにして、さまざまな意向を持つステークホルダーを調整し、プロジェクトを実現しているのだろうか?本演習では「実践のプロファイル(Profiles of Practitioners)」手法を用い、グリーンイノベーターの仕事の実際について聞き取りを行い、その書き起こしを検討することで、グリーンイノベーターに求められる職能、特性などを明らかにしていきたい。

テーマ2:Investment for Science and Innovation (担当:柴山)

公共部門における研究開発はイノベーションの源泉として我が国の科学技術政策においても重要視され、厳しい財政の中でも比較的安定した投資が継続されている。しかしながら長期的にはよりスリムで効率的なシステムへのシフトは必然であり、そのための処方箋が求められている。本演習では学術研究における研究投資と人材育成投資とに焦点を当て、ケーススタディ及びフィールドスタディを通じて、現状の課題を分析を行い、政策提言を行う。

テーマ3:社会的課題に向けたイノベーションの促進・評価政策の提言 (担当:鎗目)

 現在、環境、エネルギー、健康など社会的課題に向けて、科学技術イノベーションを促進していくことが大きなテーマとなっている。このグループでは、それに向けた政策の分析と提案に関するペーパーを作成することを目標とする。まず科学技術が解決に資すると考えられる社会的課題を同定し、その特徴を分析する。そのために、どのような理論的な議論・フレームワークを応用することができるのか検討する。そのうえで、必要な情報収集・分析を通じて、具体的なテーマに関するケーススタディーを行う。それに基づいて、考えられる政策オプションを同定・検討し、最も適切と考えられる政策提言を行う。

プログラム: 

第1回 10/2 (17:15~)

講義のイントロダクション、STIG教育プログラムガイダンス

第2回 10/9 大阪大学 小林傳司教授

 「トランスサイエンスの時代における科学と社会」

第3回 10/16 tha ltd.代表 中村勇吾様

 「オンスクリーンメディアのデザイン」(PoPセミナー:福武ラーニングシアター)

第4回 10/23 東京大学 橋本和仁教授

 「科学技術イノベーション政策の現状と課題:産業競争力会議からの視点」(仮題)

第5回 10/30 総合科学技術会議 原山優子先生

  「科学技術イノベーション政策:策定から実装まで」

第6回 11/6 ジョージア工科大学 John Walsh教授

  「Technology transfer in the USA」(PoPセミナー:小島ホール2階コンファレンスルーム)

第7回 11/13 政策研究大学院大学 桑原輝隆客員教授

  「科学技術の可視化」(仮題)

第8回 11/20

 演習1:班に分かれてテーマを設定

第9回 11/27

 演習2:調査プロセスの検討

第10回 12/4

 演習3:作業の打ち合わせ(1)

第11回 12/11

 演習4:作業の打ち合わせ(2)

第12回 12/18

 予備発表

第13回 1/8

 演習5:最終発表に向けたとりまとめ

第14回 1/15

 発表会(1)

第15回 1/22

 発表会(2)

成績評価:

平常点(出席等)およびレポート

レポートはゲスト講義および演習の内容をもとに各自A4判4ページ以内で、科学技術イノベーション(政策)に関連して、エビデンスに基づく政策提言または知見をまとめること。