金沢まちなかエリアにおける
自転車トランジション・マネジメントプロジェクト
(最新情報)2025年3月10日に金沢市にて「金沢まちなかエリアの交通を考えるワークショップ」を開催しました。動画などの開催記録はこちら。
背景
金沢市内では、走行指導帯の設置など、自転車利活用推進策がかなり積極的に実施されているものの、全体として、自家用車への依存が高い状況がみられます。しかし自家用車への依存は、中心市街地のにぎわいの喪失、地球温暖化・大気汚染、非効率な土地利用、交通弱者問題、人と人とのつながりの低下など、都市の持続可能性(サステイナビリティ)にさまざまな問題を引き起こす危険があります。そこで、自家用車に代わる持続可能な交通手段として、公共交通機関や徒歩に加え、自転車のさらなる利用が期待されます。
そこで、自家用車のために「最適化」されようとしている金沢市の中心市街地を、公共交通や自転車・徒歩のために「最適化」されたまちへと変容させることを念頭に、「自転車を安全・安心・快適に利用できる金沢」に向けたトランジョションの戦略を考えるアクションリサーチを行ってきました。
プロセス
2019年度に、金沢市内外のさまざまなフロントランナー(自転車利用に関連して先駆者的な取り組みを行っている人、行いそうな人) にお話を伺った後、以下の3ステップを念頭に、ワークショップ会合を開催しました。
(ステップ1)現状の課題の共有
いまの金沢のまちで、自家用車への過剰依存がどのような問題を引き起こしているでしょうか? 公共交通や自転車・徒歩はどうして使いづらいのでしょうか?
(ステップ2)未来像の共有
2030年に自転車を安全・安心・快適に利用できる金沢が実現しているとしたら、どのような姿になっているでしょうか?
(ステップ3)いまできる「アクション」の検討と実行
どうしたら2030年の未来を先取りして金沢の人たちを先導できるでしょうか?
結果
ワークショップなどを通じて、
- イケてる自転車乗り
- ナイスな自転車乗り
- 快適な自転車走行空間
を2030年の将来ビジョンと設定し、トランジションの方向性を下図のように整理しました。
詳細については研究成果等をご覧ください。
研究成果など
- 槇尾果歩,山中英生,松浦正浩,三国成子,三国千秋,尾野薫「トランジション・マネジメント・ワークショップによる自転車活用プロジェクト創生の試み」第61回土木計画学研究発表会・講演集
- 槇尾果歩,山中英生,滑川達,松浦正浩,三国千秋,三国成子,片岸将広「金沢市自転車安全施策におけるトランジションの分析-トランジション・マネジメント初動期の評価を目指して」第65回土木計画学研究発表会・講演集
※このプロジェクトは科学研究費助成 基盤(A)「我が国の自転車通行システムの整序化へのコンセンサス形成戦略」、基盤(B)「自転車交通の真の活用推進へエビデンスベース型トランジション・マネジメント」の一環で行っています。