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合意形成関係の文献

私の研究テーマである合意形成、市民参加のうち、特に公共政策に関連する分野の書籍を紹介します(企業組織の合意形成にはちょっと関係ないかも)。いずれも交渉学の考えが根底にあります。交渉学と公共政策の合意形成を結びつけたのが私の師匠であるL.Susskind教授であるため、彼の本の紹介が中心になります。
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実践!交渉学いかに合意形成を図るか

実践!交渉学 いかに合意形成を図るか
松浦正浩・著

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副題につけましたが、後半の内容は社会的合意形成についてかなり言及しています。交渉学をきっかけとして、社会的合意形成についていかに考えるかを、公正性、ステークホルダー、科学技術とマスコミなどの観点から記載しています。


コンセンサス・ビルディング入門

Breaking Robert's Rules 邦題『コンセンサス・ビルディング入門』
by Lawrence Susskind, Jeffrey Cruikshank
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わが師匠が最近出した本。Breaking the Impasseを20年ぶりに更新したもので、彼自身の実体験を反映して大幅に修正されています(中身は全く違う本です)。悩ましいのがRobet's Rules of Orderについて、日本の読者がどの程度知っているか・・・ということ。外資系企業に就職希望の方は、合意形成プロセスだけでなく古典的なRobert's Rulesについて同時に学べるので、一挙両得かも。


The Consensus Building Handbook: A Comprehensive Guide to Reaching Agreement
by Lawrence Susskind, Sarah McKearnen, Jennifer Thomas-Larmer (編)
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コンセンサス・ビルディングのプロセスについて、全体像から詳細にわたるまでの解説を、米国の著名研究者が分担して執筆した大著。事例も多数収録。いかんせん分厚いので最初から最後までよむ本ではなく、本棚のどこかにあって、何か個別の話題について各章を参照するためのエンサイクロペディアのような本。しかしこの第1章はコンセンサス・ビルディング技術についてきわめて簡潔にまとめられた章なので、これからコンセンサス・ビルディングを学ぼうという人は買って損はない。


Breaking the Impasse: Consensual Approaches to Resolving Public Disputes
by Lawrence Susskind, Jeffrey Cruikshank
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公共政策に関する紛争を交渉学の視点から分析、具体的解決策を簡潔に一通り説明している書。特に第三者を使った紛争処理、合意形成プロセスであるメディエーションを紹介。この本は新古典経済学(合理的選択、静的効用関数)に依拠する交渉学を議論の前提としているため、社会問題は何でも対話で処理できるというオプティミスティックな提案として解釈されることがある。特に近年学界では、対話を通じた認識の変化、信条・宗教に関わる紛争処理、倫理など「非合理」な話題が関心を集めているせいもあるのだろう。しかし、まずは合意形成を(理想的状況下であるにせよ)スッキリと一通り理解するため、また、市民参加の取り組みに参加している人の行動を合理的か合理的でないのかを整理して理解するためにも、合意形成の実践に関心のある人は必読。合意形成の取り組みを評価するための視点も提示されており、理論研究を行う人にも十分参考になる。


Dealing With an Angry Public: The Mutual Gains Approach to Resolving Disputes
by Lawrence Susskind, Patrick Field
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いわゆるパブリック・リレーションズ(PR)、コミュニケーション・コンサルタントなどによる世論操作を痛烈に批判した書。スリーマイル島原発、エクソン・バルディーズ号、ダウ・コーニング(豊胸手術のシリコン剤で問題を起こした)の事例を通じ、企業や行政機関が市民社会と付き合っていく上で、情報共有を前提とした共同問題解決のプロセスを提唱。民間企業(特にリスクが高い産業)、行政機関の広報、CSR担当者におすすめ。


The Deliberative Practitioner: Encouraging Participatory Planning Processes
by John Forester
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合意形成における新たな視点を導入している本で、上記のBreaking the impasseと比較して読むとおもしろい。特に、合意形成の取り組みを始める際に、議論の参加者が打ち解けるための儀式、transformative ritualという考え方が重要。本書には載ってなかったと思うが、Johnの好きな話で、こんなのがある。「イスラエルのある都市でなかなか巨大なバスセンターが建設できずに困っていた。その事業の担当者が、日本で同じような施設ができているという噂を聞いたので、日本の担当者に『実現の秘訣は?』と聞いたら『1,000杯のお茶だよ』という答えが返ってきた。」 まずはお茶を酌み交わすことが議論の端緒で、それがないと日本では議論が始まらない、よってそれがtransformative ritualということである。ちなみにお茶ではなく酒なんじゃないかとJohnに聞いてみたが、お茶っていう話だったよ、と言っていた。どこかで西洋人向けに話が変わったんだろうな。

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