2019年7月3日
東京湾の船の釣りものといえば、鯵が一番人気かと。向こう合わせなので、あまり技が要求されずに、そこそこ釣れる魚であります(とはいえコマセ籠を処理して船内無事に取り込むのがちょっと難しいんですがね)。
で、実は釣り方が2種類あるんですね。
古典的な釣り方はビシアジ。130号の錘がついた籠を使います。なので竿も道糸もかなりゴツいです。巻き上げるのが大変なので電動リールを使うことも多いですね。そのぶん、水深50mみたいな深場も攻められます。横須賀の船宿は水深が深くて潮の流れも早い猿島沖などを狙うのでビシアジ縛りです。
他方、横浜以北ではLTアジという釣り方が一般的です。基本は同じですが籠の錘が40号(30号という宿も)。なので竿は細くてよくて(LTとはライトタックル)、道糸もPE2号や1号でリールも手巻き。こっちのほうが竿も軽くて手巻きで魚の反応を感じられるので、正直、楽しいです。ただし潮流れのある深場はどうしても糸がフケちゃうので攻められないし、結果として、基本的に小~中型のアジしか釣れません。
2017年12月19日
頭の中は魚釣りのことでいつもマインドフルな松浦です。
先日こんな本を読みました。
この本、かなりよくできています。来年は修士論文指導に使おうかと思うほど。論理的に検証するために何が必要かをわかりやすく説明しています。
で、魚釣りなのですが、けっこう、クリティカルシンキングがきちんとできていないなぁ、とふと思いました。というのも、「これをやったら釣れた」という情報に釣り人は異常に敏感です。もちろん、同じやり方をすれば釣れる可能性が高くなるので、周囲の釣り人の真似をすることが釣り上達の秘訣だと一般的に考えられています。
しかーし、現実には同じ釣り方をしてもなかなか釣れないことも多いんですよね(逆に、釣り方真似したら爆釣なんてことも)。そんなとき、「あー、俺が釣りが下手糞なんだ」とすぐに自分を責めがちですが、実際は「下手糞」そのものが問題なんじゃなくて、何が原因で釣れないのかを追求しないから「下手糞」なんですよね。
仕掛けを同じにしたとしても、場所・時間、潮の状況、竿・リールの選択、タナ(深さ)の合わせ方、エサのつけかた、アタリの取り方・・・多くの要因が複合的に影響して、最終的に魚が食いにくるか、掛かるかどうかが決まるわけです。なので、「これをやったら釣れた」は必要条件のひとつとして参考になるかもしれませんが、十分条件ではないわけですよね。
また因果関係を明確にするには、「これをやったら釣れた」と同じく「これをやらなかったら釣れない」ことも確認しないといけませんよね。たまたま別の要因が効いて釣れたのかもしれなくて、「これ」の有無で釣果が変化することを同時点・同じ場所で確認しないといけません。
そういう思考ができないとちゃんとした論文は書けない(「これをやったらうまくいく」という事例紹介で終わる)ので、釣りを含めて、クリティカルシンキングをもっと心がけないとなぁ、と思った次第。