2024年11月15日
バルセロナからの帰路はカタール経由。シベリア上空が飛べないいま、中東が欧州への合理的な経由地になってしまいましたね。
というか7日の夕方まで学会があって、9日の朝から研究科の入試があるので、7日の夜には現地を発つ必要があり、そうなるとカタール経由以外あり得ない、という状況でもありました。
で、僕的には初めての中東トランジット。というか中東を訪れること自体、人生初ですわw。
バルセロナ空港を22時15分発のフライトですが、18時過ぎに空港に着いてしまいました。市内などでもう少しノンビリしてくればよかったのでしょうけど、日が暮れてから公共交通に乗るのがちょいと怖くて(^_^;)。Sitgesからの電車のなかでもビール飲んで盛り上がってるガテン系のおっさんグループがいて怖かった~。でも無事、El Prat de Llobregat駅でRodaliesからMetro L9に乗り換えて空港T1へ。
いずれにせよ早すぎでチェックインカウンターが開いてないので、バーで一杯。ハイネケンしかなくてトホホ。
まぁ3時間前になればチェックイン始まるだろうと行ってみたら、デスクに係員数名はいるけど始まる気配なし。早くチェックインしたい乗客が集まり始めて現場はちょいとカオス。日本とかみたいに誘導のロープを張ってないものだから、なんとなくテキトーな感じで行列。整理する係員もおらず。隙あらば割り込もうとする奴らばっかしw。結局2時間半くらい前になってやっとチェックインが始まりました。
OneWorldの特権でビジネスクラスと同じ流れでチェックインできたので、そこはストレスなかったです。とはいえ往路同様、マイルの番号が伝わってないようで、スマホのアプリでJMBの会員番号見せて叩いてもらってラウンジ使用とか処理してもらえました。
セキュリティ後はパスポートコントロールを受けてD/E搭乗口=シェンゲン外エリアへ。ラウンジは1つしかないのですが、夜も遅い時間だったので空いていました。
で、搭乗時間に搭乗口へ。ここもカオス。グループ番号の札は立っているのですが行列はテキトーw。いちお、みんな1列に並ぼうとはしていて、決して「民度低ぇ…」って感じではないのですが、係員が全く整理してないし、ロープも張ってないし、ベンチが邪魔して複数の列が途中でごっちゃになって、日本的にはありえんカオス。たぶん日本国内ならキレる人だらけの状況なのですが、ここではみんな「そんなもんだろ」的な感じで雑談したりスマホ見てるあたり…やはり自分のほうが日本の「規範がないと不安になる」文化に毒されてしまっているのかもしれません。
機内は満席。シートピッチもLCC級とは言わないけれど、ほめられたもんではないです。時差調整のためすぐに寝ました。
今回はアイマスクと耳栓を忘れたのが大誤算で、目はつぶっているのですが、あまりよく寝られなかったです。ミールサービスだといってたたき起こされたし(泣)。
とはいえ、着陸25分前に起床、ほぼ定時にドーハに到着。
実は就寝中にブルートゥースイヤホンが耳から外れて椅子の隙間に落としてしまい、焦っていたというか、「紛失だな」とあきらめていたのですが、自分が目覚めたところで、後ろの中東系の兄さんが「これ君の?」と渡してくれて、すんごい感謝感激でした。いい人たちやん。
それとも、ミールサービスだと自分が叩き起こされたとき、後席が狭かろうと気を使ってリクライニングを一時的に元に戻したのが功を奏したのかなぁ。いずれにせよ徳は積むべきですな。
2024年11月14日
今回の学会は厳密にはバルセロナではなく、バルセロナ市から郊外電車Rodaliesで40分くらい離れたところにある、シッチェス(Sitges)という街での開催でした。
正直どんな街か、ほとんど理解せずに行ったのですが・・・ここは、いい!
海辺の街で、熱海や片瀬海岸をコンパクトにしたような感じでした。砂浜沿いに遊歩道が整備されていて、ゆったりと海を散歩できました。秋になってオフシーズンだったせいもあってか、観光客の人混みもなく、地元民がビーチを犬と散歩したり、子供が遊んだり、とにかく長閑な、海沿いの小さな街でした。
日没は水平線に沈むわけではないのですが、とてもキレイな夕暮れ。
学会会場のホテルは、円安ではとても手が出ない値段設定だったため、25分くらい歩いたビーチフロントの宿に敢えてしてみたのですが、ここも最高でした。
広いバルコニーから地中海を眺めながら、スーパーで買ってきた安ビールとおつまみでマッタリ。リゾート感max!
翌朝も海沿いを散歩してみましたが、たまーにランニングしたり、犬の散歩させたりしている地元民に遭遇する程度で、ほんと、穏やかな時間を過ごせました。
プライベートで2~3泊したくなるような街でしたが、弾丸出張の1泊でも、海が好きな自分としては十分満喫できました。
都市計画とか交通計画とかの分野で、最近、バルセロナがアツいんですわ。まさに「燃えろバルセロナ」((c)日出郎大先生)。
そのひとつがスーパーブロックという、街路の歩道化みたいな事業。
バルセロナの新市街地自体が近代都市計画の見本みたいなもので、グリッド構造&斜めの大街路を組み合わせて交差点に広場を設けるという、ワシントンDCなどと同じ都市構造。
で、従来、街路は自動車の通行のために使われていたわけですが、最近になって、複数のブロックをひとつにまとめた「スーパーブロック(Superille)」を新た位置付けて、そのスーパーブロックの内部の街路は歩行者や住民のために再構成する取り組みが始まっているそうです。
Google Mapで”Superille”と検索してみて、アクセスのよさそうだった、Eixample地区とRocafort-Consell de Cent地区のスーパーブロックを視察してきました。
Eixample地区は学校とコラボしているのか、学校がどうのこうのと掲示されていましたが、規模が小さい感じがしました。街路を封鎖して、ありがちな木の箱とかを置いて、パークレット風情にしてるだけの感じ。もしかするとこれから整備が進むのかもしれません。
Rocafort-Consell de Cent地区は整備が終わっているのか、かなりの街路が歩行者用に再整備されていました。
とはいえ歩行者専用ではなく、クルマも進入できるようになっていて、けっこう、入ってきていました。ただし交差点部の中心は公園化されていて、クルマはその脇を徐行する感じでした。
植栽にもParc i Jardinsという掲示があり、完全に公園扱いですね。
で、地域の人の憩いの場として機能していて、老人が休憩していたり、若者が寛いでいたり、赤ちゃんにミルクを与えてる父親なんかも見かけました。ベンチも例のホームレス排除のタイプではなく、寝転ぼうとすればできなくはないタイプ。でもホームレスは1人しか見かけなかったかな。
ということで魅力的な空間でしたが、同時にgentrification問題をすでに引き起こしている模様(今回参加した学会でも報告がありました)。で、こんな落書きも(”free housing for all, tourists go home”)。
バルセロナはオーバーツーリズム問題がひどくて、住民らが「観光客帰れ」デモを行ったほど。民泊が儲かるものだから、住民が追い出されて民泊が増えて、家賃高騰を引き起こしちゃっているんでしょうね。
魅力的な都市整備をすると金持ちが闖入してきてコミュニティが失われる、それは自由資本主義なら正しい帰結なんでしょう。しかし、ひるがえって地域住民からすると、それならいっそのこと魅力的じゃないほうがよい、と思えてくるので、むしろ衰退していく・・・という負のスパイラルに陥る。どうしたもんでしょうかね。