2025年5月14日
2025年度春学期の留学生ゼミは、今秋修了予定の2年生2名と昨秋入学の1年生2名を指導しています。

なぜか1年生は都市・環境に関心が高い留学生が多くて、自分の担当も、公共政策大学院なのにかなりガチで都市計画(土木計画)寄りのテーマ。
ひとりはパキスタン政府職員で、ラホールのウォーカビリティというかジェイン・ジェイコブズ的都市デザインの可能性を探っています。とりあえずStreet Fightとか読んでもらって最近のトレンドを学習中。
もう一人はブータン政府職員で、交通安全がテーマ。日本と真逆で、モータリゼーションがゆえに交通事故がけっこう増えているそうで、その対策について研究中。ちっちゃい国なので、そもそも交通事故の統計分析が政府内でもぜんぜん行われておらず、事故の記録からあたって、事故原因の傾向をまずは調査中。ここでは書けませんが、交通事故の最大の原因は日本人からすると、とんでもない理由でした。
まぁそんなこんなでアジア諸国のおもしろい現場をのぞき見させてもらっています。
2025年4月8日
きょうから授業開始です。例年通りのスケジュールで何も変更はありません。

火曜日は東京大学の公共政策大学院で「交渉と合意」科目。こちらも19年目ということで特に大きなリニューアルは予定していません。来年度は20周年ということでいろいろ変えようかな、と。
その後、夜には明治大学専門職大学院ガバナンス研究科で、ゼミの研究指導と「政策研究II-A(都市・地域計画)」科目。都市・地域計画の基本的知識から歴史的変遷まで幅広く扱います。自分なりに「都市計画」についてのイロハを教授します。
翌朝は1限から留学生向けのゼミの研究指導。今年から英語コースを「国際公共政策(International Public Policy)コース」に改称。水曜日はIPP関係の科目ばかり。で、2限は交渉分析の講義、3限は合意形成とサステナビリティトランジションの講義。
これらのほかに、今学期末で修了するみなさん(日・英)に対して、修士論文(リサーチペーパー)の最後の詰めの指導がメールや個別にいろいろ行います。
ということでまたしばらくの間、火曜日と水曜日は授業関係であわただしい毎日が続きます。
2024年12月12日
昨日、留学生向けのResearch Methodの講義で、Qualitative ResearchのなかのCoding作業について授業をしていたのですが、学生からの質問で「それってAIでやったらどうなるんすか?」というのが出てきました。
授業では演習で、3ページのインタビュー書き起こしのプリントアウトを渡して、学生に手作業でコーディングと整理をやってもらっていたのですが、「じゃぁこの書き起こしをChatGPTに突っ込んだらどうなるか、やってみよう!」ということで、学生の前で、やってみることにしました。
で・・・やってみたところ・・・

すげぇ・・・
学生たちがコーディングして、僕が先導するディスカッションで、複数名の結果をまとめてある程度の仮説を構築していたわけですが、それ以上の結果(僕らが見落としていた観点、論点)をChatGPTの野郎は叩き出してきたわけです。しかもAIらしいテキトーな論点ではなく、確かにインタビューの書き起こしの行間をよく読めば、出てきてもおかしくない論点ばかり。
これには唖然。これから授業でいったい何を教えればいいんだろう!?!?・・・としばらくポカーンとしてしまいました。
以前のAIではこんなことできなかったと思うので、毎年毎年、すごい勢いで進化してんでしょうね。
来年のいまごろには、Codingどころか、インタビューの音声を突っ込めば内部で書き起こしして解釈して、質的分析の結果をいきなり表示できるAIが出てきてもおかしくないですね。
そう考えると、質的研究とはいったい何なのか(そしてその教育に何の意味があるのか)、視野を広げて内省しないとほんと、やばい時期が来てますな。