2024年10月23日
10月11日の夕方に徳島に飛んだのですが、その前に午前中、神奈川県の久里浜にある国総研で研修講師をしてきました。
庁舎の隣に大きな病院が新たに建築されていてびっくり。
当初は、大学の同期で国交省の港湾局の官僚をやっていた某君から依頼されて研修講師を引き受けたのですが、彼が異動して偉くなっていった後も、引き続き本省から依頼があるので、毎年担当させていただいております。
さきほど受講者アンケートの結果なるものを頂戴したのですが、「対外交渉が従事している現業務で大きなウエイトを占めていることもあり、立場と理解、代替案の用意と戦略的な使い方について、対外交渉時に必要な技術・ポイントを習得できて有意義であった。」などポジティブなコメントを頂戴できて、気分よいです(笑)。
交渉分析のスキルが身につけば、仕事も家庭も気が楽にはずなので、もっと広まっていけばいいなぁ(しかし研修講師の出張は疲れる(;^_^・・・)と思うところです。ちなみに、明治大学専門職大学院ガバナンス研究科では、日本語でも英語でも交渉分析の講義を提供していますよん。
2024年10月14日
さる週末に徳島県上勝町で研修講師をしてきました。
澤田俊明さんが主宰の連続講座の一部を担当させていただきました。テーマは「紛糾する場」。交渉分析の基礎や価値観・規範に根差す紛争のお話をさせていただきました。
ひさびさに上勝へ伺えてよかったです。
空気はキレイだし、東京のような人混みなんて皆無だし、遠くから勝浦川のせせらぎが聴こえてきて、ほんと癒やされました。
2021年8月16日
自分の交渉分析の講義では、交渉の3つの側面(実質的、手続き的、心理的)のうち、心理的側面については、ほとんど扱いません。自分自身が心理学に疎いというのもありますが、それ以上に、交渉の心理的戦略は、あまり役に立たないというのが私の持論です。むしろどうしたら実質的な利得をお互いに最大化できるのかどうかを考察できるようになるための講義をしています。
先日から炎上中の某氏、謝罪したそうですが、そもそも謝罪の心理的な技法を以前に話していたものだから、今回の謝罪も全く信用されないようですね。心からの「謝罪」ではなく、演技としての謝罪としてしか受け止めてもらえないのでしょう。かわいそうといえばかわいそうですし、自業自得といえば自業自得。
この事例が特徴的なように、交渉でも、心理的な戦略は、相手に見透かされてしまうと、効果がないどころか、むしろ逆効果です。信頼関係の構築を毀損します。
もちろん、人質解放交渉や外交の現場の非常にミクロな場面では、わたしの理解を超えるような心理的戦略が使われて、効果を発揮しているとは想像します。しかし、そこらへんの超高度な技術を一般人が理解しても、使う場面もないし、技術的にも練習の機会がないので実践できないでしょう。
よって小手先の心理的な技巧を業務の交渉で使うのは基本、やめておいたほうがよいです。露骨に繰り返し使っていると、信用を失って取引先がなくなり、自分で自分のBATNAを棄損することになります。
もちろん、コロナが終息して海外旅行に行くようなことがあれば、旅先の露店でのおみやげ品の値切りなんかで、心理的な技巧を使ってみるのはいいかもしれません。要は、縁が切れてもいいような相手なら、遊びで使ってみてもいいかもしれませんね。もちろん百戦錬磨の露店商の人たちのほうが技術力が高くて、うまいことぼったくられるだけかもしれませんが…