2025年2月17日
カンボジアといえば最近までマイカー所有はほんの一部の富裕層で、プノンペンの市内を走るのはおおよそバイクかトゥクトゥクかトラックか、みたいな雰囲気であったわけですが、昨今はマイカーというか高級車が渋滞を起こしているのが当たり前のように見えます。よくも悪くも、この国はありとあらゆる側面で、超速でトランジションが進んでおりますな。

というなかで、今年になって驚いたのが、EVをたくさん見かけたこと。
昨年は一台も見かけなかったと思います。というか昨年、教え子たちは「この国ではEVは無理」と断言していました。
それが今年はこのありさま。

毎日、少なくとも2~3台は走っているのを見かけました。日産LEAFがいないので、日本よりはまだ普及してないかもしれませんが、昨年皆無だったことを考えると、かなりの急増じゃないでしょうか。

車種はBYDのATTO3が多かったような気がしますが、僕が知らない(=気がつかない)中華メーカーのEVも走っていたんじゃないかと思います。。
そもそも電力供給自体が不安定で、停電も珍しくなかったというカンボジアで、EVが一気に普及し始めている姿を目の当たりにすると、ほんと、変化の速い街だなぁと感心します。
2025年2月16日
先週1週間、カンボジアに出張してまいりました。例年のJDS専門面接でございます。

今年は1日延泊して、修了生のフォローアップ指導を延長したり、共同研究相手の模索で打ち合わせをしたり、さらにはちょいと釣りをしたり・・・と充実した滞在でありました。
ということで記録を毎日少しずつ書いていこうと思います。

2024年9月16日
さる9月14日(土)に、関西大学で開催の「環境経済・政策学会」の2024年大会に伺ってきました。
自分はいちお共著で、かなりガチで発表内容や原稿に手を加えたのですが、筆頭・発表はうちの研究室のナランさんで、母国のカンボジアで聞き取り調査した結果の発表。

何がおもしろいかって、多国籍企業が途上国の環境に「よい影響」を与えている事実の発見。多国籍企業ってたいがい、ボパールの大事故のイメージが強いせいか、途上国で「悪いこと」をしてるという見方をされがちなわけです。最近ではスウェットショップとか。
しかし今回の調査で、カンボジアでグリーン建築(環境にやさしいビル・工場など)を建てた事業者(※LEED認証)はすべて実質的に多国籍企業の現地法人で、グローバル本社の意向や海外のクライアント(ハイエンドブランド)の意向が理由で、追加費用がかかるにもかかわらず、カンボジアで太陽光発電を利用したり、汚水排出が少なかったり、断熱性能が高かったり、そういう建物を敢えて建築していたんですね。やはりカンボジアの地元の企業だと、そこまでやろうという資本力もないし、気力も出ないのでしょう。
現時点で6社しか存在しないのでその影響は限られますが、彼らがトランジション・マネジメントの理論における「フロントランナー」となって、グリーン建築を拡大波及するポテンシャルは高いと思います。
ナランさんは実はカンボジア政府の環境省の職員で、今月帰国するので、今回の知見をもとに、フロントランナーからの拡大波及に勤しんでもらえれば・・・と期待しています。

その後、EV普及について、経産省・環境省やメーカーが登壇するパネルディスカッションを拝聴したのですが・・・やっぱ経産省というか日本の産業政策はダメだわ・・・と確信を強めました。