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2015年12月30日

ティッシュ・イノベーション!

タイトル見てエロい内容だと思いました?

安心してください、エロくないです(ゴメンナサイ)。

先日、食卓で使うティッシュを間違えて2箱出してしまったのです。いずれもスコッティのぱっと見、同じ箱なのですが・・・なんとなく眺めていたところ・・・

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大きさがぜんぜん違うじゃん!

幅はほぼ同じですが、高さがかなり違います。「安売用に中身減らしてんじゃねぇの?」と疑ったものの、いずれも400枚(200組)との表記あり。

どうなってんだろ?とよく見てみると、片方の裏面には「(c) 2011 KCWW Kimberly-Clark Worldwide…」、もう片方には「(c) 2015 KCWW Kimberly-Clark Worldwide… 」と書いてある。

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なるほど、どうやら片方は、震災後のどこかで備蓄用に買っておいたティッシュだったらしい。もう片方は最近買ったティッシュ、ということらしい。もちろん、最近買ったほうがコンパクト。

ということでサイズ(外寸)を計測してみると・・・

2011(?)版:
W 236 x D 117 x H 55 = 1518660 mm^2
2015版:
W 227 x D 117 x H 45 = 1195155 mm^2

ってことで容積にして21%の減容!

すごいですね。輸送にかかるコスト、CO2の排出、その他諸々をずいぶん節約できてますね。

こういうのこそイノベーションってやつなんじゃないか、ってことで、「ティッシュ・イノベーション!」って叫びたくなってしまいました。

もちろん、「イノベーションなら、そもそも木質パルプを使わなくてもいい、あるいは再利用できるようにするくらいの革新が必要なんだ!」と力説される方もいらっしゃるでしょう。

しかし、何はともあれ、わずか数年で20%の減容っていう企業努力は、イノベーション!と称えてもいいんじゃないかなぁ、と思うわけでして。


カテゴリ: Environmental policy,Science/Technology Policy — Masa @ 11:03 PM

 

2015年12月16日

銚子・神栖の洋上風力発電の見学2015

小職担当の「海洋科学技術政策論」講義では、毎年、銚子(千葉県)と神栖(茨城県)の洋上風力発電施設の見学に伺わせていただいています。今年は昨日12月15日に実施。12月だというのに太陽がふり注ぐ暖かい1日で、屋外での見学には最高の日和でした。

しおさい1号に乗って銚子駅集合、すぐに外川漁港までバスで移動です。外川漁港では、ちょうど釣りの漁船が帰港してくるところで、活気ある様子でした。

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さっそく、漁船(釣り船)に乗り込んで、視察に出発です。

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銚子の洋上風車は、沖合3kmほどのところにあります。この日は定期点検で、風車は廻っていませんでした。

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台風のせいで、送電ケーブルを海中に下ろしていく箇所(下写真の左側)が破損したそうです。やはり波の破砕力は大きいんですね。
ということで写真中央に見えるように、基礎にベッタリと這わせるような配線に修正されたとのこと。これも「実証実験」の強みですね。

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この日は波高1.3mと、まぁまぁ穏やかな感じがしましたが、下の写真にうつっている船で判るように、けっこうな揺れでした。

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最後に陸上の変電施設にも伺いました。隣は銚子マリーナ海水浴場といって、きれいで長閑な砂浜です。ここからでも沖の風車が見えます。夏は混雑するようですね。

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次に1時間弱、バスで移動し、神栖のウィンドパワー(小松崎さん)の風車の見学にいきました。
神栖までの道のりでは、バスの運転手さんが気をきかせてくれたのか、沿岸の風車街道を走ってくれました。

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沿岸から見ても「洋上」って感じがしませんが・・・

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突堤に出て眺めると、ちゃんと洋上ってことが判ります。
ちなみに(第1期は)陸上から施工されたのでFIT上は陸上の風車と同じ単価だそうです。

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今日のベストショット。神栖で導入されている日立/富士重の2MWダウンウインド型。
ウィンドパワーさんのスゴいなぁ、と思うところが、地元経済への思いが強く、国産・茨城産の風車を導入していること。

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今度の鹿島港ウィンドファーム(まずは20基建てるそうです)では5MWを導入されるそうで、鹿島港の南堤付近の陸上に実証試験機が建っていました(まだ稼動してないようです)。

 


2015年11月4日

「『いいね』経済」バブルの問題

最近何かとクサれ気味の松浦です。なんか悪態つきたくなるのが中年オヤジの悪いところなのでしょうが、老化に伴うホルモンバランスの崩れってやつですかね。人間だもの、みつを。

最近どうもイラっとくるのが、いわゆる「ロハス」みたいな感じで、田舎の寒村とかで「質素」な暮らしをしながら小さな商いして村おこしになってるみたいな若夫婦のストーリー。みんな、なんでかしんないけど、揃いに揃って、無印良品あたりで売ってそうなボーダーのボートネックの長T着てるんだ。別に個別具体的案件があるわけじゃないんだけど、フェイスブックだの新興メディアだの見てると、そういうサクセスストーリーで溢れてるわけです。

ああいうのって、売ってる商品とか商売の本質ってそんなに価値がないものなんじゃないかな。結局、若干値段が高くても商売ができるのは、パッケージ、ネット上での「いいね」、有名人のendorsement、背後のストーリー・文脈で付加価値(非利用価値)をつけてるからなんじゃないかな、と思うわけです。結局、イメージ商売って意味では、AKB商法と大して違いはないんじゃないでしょうか。商品自体がもたらす価値よりも、おまけの価値の方が肥大化しちゃってる案件も、けっこうあるんじゃないかと思われるわけです。あ、ビックリマンチョコ大量廃棄なんて昔ありましたね。いまの小学生たちはビックリマンチョコなんて知らないでしょうが。

まぁロハス的なものであれば、商品自体の品質が高くて機能や耐久性が高いこともあるので、一概に否定するのもなんでしょうかね。ただ、再生産につながらない付加価値を消費することでおカネが循環する経済って、バブルになりかねないんじゃないっすかね、って言いたいわけです。みんながヴィトンのバッグを持ち歩くような経済ですな。

結局、そういう、「いいね」で価値を増すやり方っていうのはリスクが大きいんじゃないですかねー。厭きられたら一気に価値がなくなるわけだし。

一時期の「佐野研二郎デザイン」信仰なんかに通じるところもあります。田舎の山村は切羽詰まってて、なんでもいいからカネになるものは商売にしたい気持ちもわかるのですが、ブランドで価値を上増しするんじゃなくて、地域のオリジナリティがあるほんとうの価値は何かを見つめなおさないと、地方創生なんて、「いいね」バブルで終わるんじゃないっすかね。


カテゴリ: Environmental policy,Public policy,Urban planning — admin @ 9:03 AM