2024年10月14日
上勝町で研修講師
さる週末に徳島県上勝町で研修講師をしてきました。
澤田俊明さんが主宰の連続講座の一部を担当させていただきました。テーマは「紛糾する場」。交渉分析の基礎や価値観・規範に根差す紛争のお話をさせていただきました。
ひさびさに上勝へ伺えてよかったです。
空気はキレイだし、東京のような人混みなんて皆無だし、遠くから勝浦川のせせらぎが聴こえてきて、ほんと癒やされました。
2024年10月14日
さる週末に徳島県上勝町で研修講師をしてきました。
澤田俊明さんが主宰の連続講座の一部を担当させていただきました。テーマは「紛糾する場」。交渉分析の基礎や価値観・規範に根差す紛争のお話をさせていただきました。
ひさびさに上勝へ伺えてよかったです。
空気はキレイだし、東京のような人混みなんて皆無だし、遠くから勝浦川のせせらぎが聴こえてきて、ほんと癒やされました。
2021年8月16日
自分の交渉分析の講義では、交渉の3つの側面(実質的、手続き的、心理的)のうち、心理的側面については、ほとんど扱いません。自分自身が心理学に疎いというのもありますが、それ以上に、交渉の心理的戦略は、あまり役に立たないというのが私の持論です。むしろどうしたら実質的な利得をお互いに最大化できるのかどうかを考察できるようになるための講義をしています。
先日から炎上中の某氏、謝罪したそうですが、そもそも謝罪の心理的な技法を以前に話していたものだから、今回の謝罪も全く信用されないようですね。心からの「謝罪」ではなく、演技としての謝罪としてしか受け止めてもらえないのでしょう。かわいそうといえばかわいそうですし、自業自得といえば自業自得。
この事例が特徴的なように、交渉でも、心理的な戦略は、相手に見透かされてしまうと、効果がないどころか、むしろ逆効果です。信頼関係の構築を毀損します。
もちろん、人質解放交渉や外交の現場の非常にミクロな場面では、わたしの理解を超えるような心理的戦略が使われて、効果を発揮しているとは想像します。しかし、そこらへんの超高度な技術を一般人が理解しても、使う場面もないし、技術的にも練習の機会がないので実践できないでしょう。
よって小手先の心理的な技巧を業務の交渉で使うのは基本、やめておいたほうがよいです。露骨に繰り返し使っていると、信用を失って取引先がなくなり、自分で自分のBATNAを棄損することになります。
もちろん、コロナが終息して海外旅行に行くようなことがあれば、旅先の露店でのおみやげ品の値切りなんかで、心理的な技巧を使ってみるのはいいかもしれません。要は、縁が切れてもいいような相手なら、遊びで使ってみてもいいかもしれませんね。もちろん百戦錬磨の露店商の人たちのほうが技術力が高くて、うまいことぼったくられるだけかもしれませんが…
2020年6月9日
いやほんと、今日はビックリしましたよ。
小職が東大の公共政策大学院で10年以上担当している科目「交渉と合意」。交渉分析の基礎と政策形成への応用をお話ししているのですが、今日は6者間での公共事業に関する合意形成模擬交渉。
「ハーボコ」という教材で、小職のMITの師匠が制作した教材なんですが、利害調整の論点が5つもあって、しかも各役割の利害が複雑に入り組んでいるのに、授業時間内の1時間半で合意形成を図る必要があり、さらにちょっとしたトリックも仕組まれていて・・・
という、なかなかスリリングな演習です。この講義を受講した修了生のみなさんのなかには、この演習のことを忘れずに覚えている人も多いと思います。
で、何がビックリしたかといえば、今日はオンラインでやったわけです。
ZOOMでブレークアウトルーム機能をつかって原則6人1組(3グループ)に分かれて演習に参加してもらったんですね。
オンラインだからコミュニケーションがうまくとれないだろうなぁ、6者間なんて話し合いになるのかなぁ、と、やってみるまではドキドキでした。実際、ブレークアウトルーム機能が想定通り機能せず、講義開始直後にいったん全員にログオフしてもらって再度立ち上げなおすといったトラブルに見舞われたほど。
ですが、3グループのうち、2グループがなんと1時間程度で6者間合意に到達してしまったのです!
通常であれば1時間半かかる演習が2/3の時間で合意に達してしまう、しかも例外的ではなく3事例のうち2事例、しかも覗き見していた感じ、特になにか「凄い」進行が行われていたような感じではないグループで、短時間で合意形成成功とは・・・。
これはZOOMというかテレビ会議の可能性を示唆しているような気がします。いちどnegotiation journalあたりで既往研究がないかどうかチェックしたいのですが、マルチステークホルダーの合意形成をオンライン会議にすると、時間の効率化が図られるのかも。とはいえ逆に、議論の質がどうだったかの検証も必要なんですがね。
コロナ禍は多者間交渉を大きく変えるトリガーなのかもしれない、と思うと鳥肌ザワザワした午後でした。