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2023年1月14日

次世代は「ガスコンロを知らない子供たち」かもしれない

日本ではガスコンロで調理するのがあたりまえですが、海外では必ずしもそうでもありません。自分も米国に住んでいましたが、電熱線の調理器具が置いてあるアパートが多かったです。

考えようによってはガスが使えるというのはけっこうな贅沢なんですよね。電熱線/IHであれば、各世帯に確実に存在する電灯線につなげばいいわけですが、ガス調理器となると、道路下のガス管からの引き込みや屋内にもガスの配管が必要になるわけです。コストを抑えようとすれば電気調理器のほうが合理的といえば合理的。

とはいえ自分は「やっぱりガスが好き」でなわけです。炒め物の類は電熱線のモヤっとした熱ではどうしても火力不足でベチョっとした料理になるんですわ。暖房もエアコンの空気は乾燥がひどいし冬はなかなか暖まらないしで心もとないです。

ですが、米国では実は「ガス」が消えゆく運命なのかもしれません。上記のように、米国ではもともと電熱線での調理が珍しくないというかあたりまえに近い状況でした。なのでガス禁止となっても、無茶な話ではないのでしょう。ニューヨークなどの大都市では気候変動対策を理由に、新築住宅でのガス使用禁止が始まっているそうです。

ニューヨーク市議会で、新築建物での天然ガス使用を禁じる法案が通過

天然ガスは確かに「燃焼」ですので、CO2を排出します。料理すればCO2排出するわけですね。具体的にどの程度の排出になっているのか、いまいちわからないので今度調べてみますが、どうなんでしょうね?

まぁそれはともかく、今度は全米でガスを禁止にする動きも出ているそうです。

米連邦機関、ガスコンロの禁止を検討

連邦の動きのおもしろいところが、気候変動対策ではなく、室内でのガスの燃焼が子供のぜんそくの原因のひとつとなっている、という理由での禁止提案とのこと。気候変動対策となると、ほんとうに自由を制限するだけの意味があるのかどうかと侃々諤々の議論になってしまうのでしょうが、「子どもの健康を守る」と疫学的観点から言われてしまうと、なかなか反論しにくいというのもありますよね。

ガスのほうが好きな自分としては、高価でもメタネーションによるガスを使いたいなぁと思いつつ、社会全体としては維持できない贅沢にも思え、これから日本ではどうなっていくのかな?と思うところです。


カテゴリ: American politics,Environmental policy — Masa @ 7:55 AM

 

2023年1月11日

なぜJaxのVictoria’s Secretのような曲は日本で流行らないのか

あたしゃ普段、AFN(旧FEN、いわゆる米軍放送)を聴きながら仕事をしているのですが、最近、この歌がよく流れている気がします。

Billboardのチャートを見てみたら最高35位なので大ヒットでもないのかなぁ、と思いますが、去年の夏ごろのリリースらしいので、息の長い曲なのでしょう。

問題は、この歌の歌詞で、ようつべを見ていただければわかる通り、ガチでVictoria’s Secretを非難しています。

Victoria’s Secretってアメリカ人なら誰でも知ってる下着メーカーで、ショッピングモールに行けばどこにでもありますし、いわゆる「グラマー」なおねぇちゃんの写真がいっぱい載ったカタログなんかを配ってることでも有名であります。カタログがエロいので中学生男子みたいなガキがエロ本代わりにキャッキャと盛り上がるやつ、イメージもあります(メーカーにそんな意図はないのでしょうが、パッと見た感じ昔のPlayboyのよう)。

この歌では、Victoria’s Secretのカタログのモデルが、痩身の、まぁいわゆる「モデル体型」なもので、自分がその「理想形」以外を否定されているように感じたがゆえに、無理なダイエットとかして無為な時間を費やしていたことを反省し、若い子たちに「騙されるな」というようなメッセージを発しています。

これはたぶん米国での最近のムーブメントなのですが、理想の体型みたいなものをメディア・社会が吹聴するものだから、若い子(特に女の子)が影響されて摂食障害を起こしたりメンタルにおかしくなったりするのがイカン、という意見が急速に広がっております。

なので実はVictoria’s Secretもすでに、昔の「グラマー」なモデル路線はやめて、もっと「普通の」体系のモデルを使ったカタログに変更しているそうです。この歌についても、Victoria’s Secret社は実は歓迎のメッセージを出していて、昔の広告は間違っていたと発表しているほど。

さて、ひるがえって日本はどんなものでしょうか?

けっこう、考えないといけない時期に来ていると思うのですけどね。アイドルみたいなのとか、いろいろマズいんじゃないかと思います。でもなんでも「自己責任」に帰結するのがトレンドのいまの日本だと、摂食障害になる女の子が悪いんだ(というか摂食障害を「努力してる」とさえ表現してしまう)という方向に行ってしまうんだろうなぁという気もします。


カテゴリ: American politics,Entertainment,Health — Masa @ 7:04 AM

 

2022年9月8日

カリフォルニアでさえ原発一時復活

どこの政府も気候変動対策に原発を使わざるを得ない状況になってきているようであります。

California governor signs bill to keep last reactors running
https://abcnews.go.com/Technology/wireStory/california-governor-signs-bill-reactors-running-89248052

カリフォルニアでは2025年までの廃炉を決めていたディアブロキャニオン原発を2030年まで運転延長する法案が通過し、知事が署名したとのこと。気候変動対策の法案のパッケージの一つだそうです。民主党内でもこれはかなり揉めたようですが、結局、ほぼ全員一致で法案は通過したそうな。

日本も原発再稼働という話になってきています。2011年のメルトダウン以降、再エネ導入は一部の太陽光以外は遅々として進まず、政府は原発をベースロードだと言いながらもほとんど再稼働できず、結局、老朽化した火力に頼って誤魔化してきたので、いま脱炭素しようとしたら短期的には原発しか選択肢がないという状況なんでしょうね。そんな政権が長期にわたって選挙で当選してきたのですからこの国の自業自得といえば自業自得。

とはいえ、少なくとも日本の過去10年よりは再エネ導入に積極的だったと思しきカリフォルニアでさえこんな状況なので、ロシアの乱暴狼藉の影響も加わって、「現実的」というか、リスクがあっても使えるものを使わざるを得ない状況に世界が直面しているのでしょう。

この局面で、目前の課題解決で手一杯になるのか、それに加えて2030年から先のことも考えた準備を進められるのか、その違いが国力の違いとなって10年後に表出するのでしょう。


カテゴリ: American politics,Environmental policy — Masa @ 8:32 AM