2009年8月7日
海洋アライアンスの看板
けっこう前になるのですが、研究室の前に海洋アライアンスの看板がつきました。迷ったときはこれを目印にどうぞ。
2009年8月5日
Clinton and Two Freed Journalists Leave N. Korea
ほほぉ。こういう結末でしたか。
米国内務省は何かするだろうとは思っておりましたが、クリントンが行って連れて帰ってくるとは、表面上はいちばん平和なシナリオに落ち着いたのでしょう。まずは何より。
2者間交渉としてみると、米側にいくつか上手な戦略が見受けられます。当初の不法な拘束という大義名分を取り下げ、金総書記による恩赦を求めたことは、立場ではなく相互の利害関心に焦点を当てる交渉の最たるものでしょう。また、クリントンがか弱い女の子たちを迎えに行く、という構図もなんともアジア的であります。金日成を「父」として神格化する北朝鮮の思想との親和性を感じます。純粋な交渉戦略としても、cross-cultural交渉としても、今回は非常によかったのではないでしょうか。
もちろん、裏ではいろいろ取引や脅しがあったのでしょう。
ただ、これは単純な2者間交渉ではなくて、中国が一枚噛んでいるような気がします。米中戦略・経済対話も伏線にあったのでしょう。そういう視点で見ると、米・朝、中・朝、米・中という3つの交渉のdyad(つながり)を同時に考える必要が出てきますので、整理は非常に複雑です。またdyadが増えれば「裏取引」の機会も増えますので、交渉の本質をとらえることはきわめて困難です。3者間交渉として考える必要がないわけではありませんが、複雑であるがゆえに、表面的な情報をもとに空虚な単純化した議論が横行してしまう危険があります。
何はともあれ、日本が巻き込まれなかったのはよかったことです。ここで話に割り込んでも、余計な負担を強いられるだけでヤブヘビだったでしょうから、黙っていたのは正解だったのではないでしょうか。