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2010年1月12日

日航のスカイチーム加入はやっぱりおかしいような気がする

ずっとおかしい、おかしいと言いつづけているが、やっぱし日航がスカイチームへ移るのは、どうも納得がいかない。

報道では、デルタ/ノースウェストとくっつくことで、太平洋路線のシェアの半分以上を獲れるから、アメリカンよりも条件がよい、というのだが、それは本当だろうか?確かに現状の旅客数をそのまま足し算すれば、そのような数字になるのだろうが、日航がデルタ・ノースウェスト側にくっつけば、重複路線の運休などのために日航が大幅に路線を削減するだろうから、結果として、シェアはアメリカンとスタアラに少し移るだろう。逆に、もし日航がデルタ陣営に移れば、アメリカンは一部の路線を再開するかもしれない。ハワイ路線さえ運行しはじめる(・・・まではムリか)。以前はアメリカンも、関空やセントレアから飛ばしていたが、それこそ日航不採算の元凶といわれる政治的なお飾り路線など維持するよりも、日航に頼って成田を太平洋線のハブとしたほうが効率的なようで、路線開設後年月も経たぬうちに運休してしまっている。アメリカンはそれだけ、日航を信頼して、太平洋線を任せていたということだろう。逆に、関空やセントレアを見捨てたアメリカンに対して、航空行政は怨恨を持っていやしないだろうか。

スカイチームに移ったほうがコスト削減効果は高い、というが、本当にそうだろうか?確かに、現状ではデルタ/ノースウエストは、ハワイ含め太平洋路線も多く、貨物専用機もあるので、日航が太平洋線から撤退するという前提ではパートナーとして便利かもしれない。アメリカンはこれが弱い。しかし、日航が撤退するのであれば、アメリカンは太平洋路線をもっと増やすのではないか?名古屋はダメだろうが、関空-ダラス(※ちなみにインボラアップグレード頻発の気前のよい路線だった)であれば戻ってくるかもしれない。アジアは日航で、太平洋線はアメリカンで、という仕分けもできる。アジアも撤退するなら、キャセイと中国東方航空に任せてしまえばよい。

それにひきかえ、スカイチームに移ってしまったら、国際線シェアを大韓航空に奪われてしまう危険が大きい。なんといっても大韓航空がスカイチームの設立時(2000年)からのメンバーであることを忘れてはならない。下剋上の業界ではあろうが、アライアンス内の政治力も考えておかないと怖い。すでに日本の地方都市では、インチョン経由の欧米渡航も珍しくない。であれば、スカイチームは、成田を切り捨て、インチョンをアジアのハブにしてしまうのではないだろうか。もちろん、短期的に日米路線をノースウェストが引き継ぐだろうが、長期的には、国ごと捨てられるリスクもある。日航は、昔のTDAのように、小需要の国内線を運行する会社となってしまうかもしれない(そのほうが地方不採算空港を維持したい政治家にとっては幸せかもしれない)。こうして、日本のフラッグシップキャリアを全日空にして、成田も羽田も全日空の意向に沿って整備したい、という意向もどこかにあるかもしれない。

まぁ、私自身がアメリカン航空のマイレージ大量保有者なので、もちろん、バイアスかかりまくりの偏向した意見ではあるし、何より専門家ではないので、専門知識ではなく思い込みばかりで書いているので、あまりマジメに読まないでほしいのだが、こうしてシナリオを考えてみると、やっぱし、いまのままで、いいような気がする。


カテゴリ: Travel — Masa @ 9:26 PM