2013年7月10日
Deliberative Global Politics 読了
DryzekのDeliberative Global Politicsを読みました。国際レベルでのdeliberative democracyに関する論考です。
Lijphart, Huntington, Mouffeなどの議論を参照しつつ、それらの欠点を指摘して、Beck/Giddensなど援用しながら国際レベルでのreflexive democracyの必要性を説いています。
新自由主義や国家主権への回帰に対する批判としての
deliberative discourseの必要性を解くのは従来からある流れかと思いますが、radical democracyに対してもdefendしなければならないというのが、現在のdeliberative democracyの置かれた微妙な立場を象徴しているように感じました。
終章では、3種類のdemocracyとして、neoconservative democracy、cosmopolitan democracy、discursive democracyを説いていますが、ここが本書の一番のキモかなと思います。
しかし全体を通じて具体性に欠けるような気がしなくもありません。言いたいことは個人的には賛同するものの、practiceとして何をどうすればいいのかを知りたい気もします(Dryzekにそれを期待するのがおかしいという説もありましょうが)。
国際関係論になんか違和感を感じる人は、読むと新たな視点を獲得できるかもしれません。逆に、democracyをdomesticな文脈で考えてきた人には、internationalな文脈へと展開するきっかけになるかもしれません。