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2025年3月26日

法規制ではないがゆえのイノベーション:福島県夜の森のピンクの矢羽根

自転車の走行空間は「車道」であるわけですが、自転車がより走りやすくするために昨今、さまざまな事業が行われているわけです。

そのなかでも自転車走行指導帯、矢羽根、ナビマークと言われるものは、なかなか面白い存在で、法規制としての拘束力はない路面標示となっています。走行指導帯の上を自動車が走ったとしても違法ではありませんし、逆に走行指導帯を外れて自転車が走ったとしても違法にはなりません。

なお、自転車専用通行帯や自転車道といわれるものはれっきとした規制で、自動車が理由もなく走行したら違法になります。

で、福島からこんなニュースが。


路面標示、ピンクの「矢羽根型」 富岡・夜の森の桜並木道路

走行指導帯の矢羽根表示ってライトブルーであることが多いのですが、福島県の夜の森では、桜並木なのでピンクの矢羽根にしたというニュース。

法規制でしばられてしまうと、こういう創意工夫ができないわけですが、しばりがないがゆえに、こういうイノベーションが可能になるわけですな。

とはいえ県警の上層部が日和見主義だとこういうアイディアも潰されるので、福島県警GJというべきところかもしれません。


カテゴリ: bicycle,Environmental policy — Masa @ 10:57 AM

 

2025年3月23日

実証ばかりで拡大波及/トランジションに進まない日本(OECD報告書)

OECDの”Environmental Performance Reviews: Japan 2025“なる報告書が21日に公表されました。

で、ざっと概要を読んでいて気になった個所がこちら。

Successful pilot initiatives must be scaled up to expand reach and impact. In addition to continued financial and technical support to local authorities, the government could implement awareness campaigns, develop training programmes and establish a regional support network….

実証事業を拡大波及(スケールアップ)させてインパクトをちゃんと持たせなきゃいけませんよ、というメッセージ。

いやほんと、(沖合の)洋上風力の世界を眺めていると、15年前にはすでに実証が行われて実証機が立ち始めていたのに、いまだに国内で竣工している沖合洋上ウインドファームはない(五島があと少しで完成かな・・・)状況なわけです。霞が関ってほんと技術開発というか実証事業が好きで、そこには予算はつけるんだけど、それを社会へと実装して未来を変えることにはコミットしたがらんのですよね。

まぁせいぜい4年くらいのキャリアの人事異動サイクルでは、数年の実証事業なら自分の在職中に手柄にできるけど、社会実装となると10年くらいの覚悟をもって取り掛かる必要があって、自分だけでは責任をとれない(後任に迷惑かけるかもしれない)から、萎縮しちゃうんでしょうかね。

まぁそんな具合で、OECDの報告書でも指摘されてしまっているわけです。この段落には「Regional Environment Offices could play a more active role to improve co‑ordination between national and local governments. 」(環境省の地方環境事務所がもっと積極的に調整役になれるはず)なんてことも書かれていて、実は環境省の中の人が書いているんじゃないかなぁという気にもなります。まぁOECDってキャリアの出向者多いんでしょうね。

いずれにせよ、実証で終わらせずにトランジションにコミットする意気込みこそがいまのキャリア官僚に求められているように思います。


カテゴリ: Environmental policy,Public policy — Masa @ 8:40 AM

 

2025年3月22日

クリティカルなインフラとしての変電所

ヒースロー空港の停電は大混乱をもたらしましたね。英国航空のハブ空港なものですから、英国経由で欧州~世界を移動していた人たちはにっちもさっちもいかなくなってしまったことでしょう。

原因は変電所火災。どうやらヒースロー空港のグリッドからの電力供給がある1か所の変電所に依存していたため、そこがダメになって空港内の非常用電源しか使えなくなったようです。で、非常用電源もすぐに稼働できるわけでもなく、結局は丸一日の空港閉鎖に陥ってしまったとのこと。電力供給のルートの複線化ができていなかったということで、空港のBCPがダメだったんとちゃうの?という話に。

さてさて日本はどうなんでしょうね?テロの標的になるでしょうから情報は非公開でしょうが、成田とか羽田とか、複線化できているのか気になるところです。関空とかセントレアとかって、陸地と橋一本でつながってるだけですから、脆弱性も高そうですよね(海底ケーブルなのかもしれないけど・・・)。

セキュリティに関わるためあまりオープンに議論できないテーマなのかとは思いますが、重要施設の管理者や配送電事業者のみなさまにおかれましては、くれぐれもリダンダンシーの確保をお願いしたいところです。


カテゴリ: Public policy,Travel,Urban planning — Masa @ 8:25 AM