ホーム » ブログ

アーカイブ

検索


フィード


管理

2023年1月7日

常に「試す」姿勢がダイジ:「オフィスでマスクしなくてOK」3カ月続けたGMO

「オフィスでマスクしなくてOK」3カ月続けたGMO 社員の反応は?

最近寒いので、屋外でマスクしなくてもいいと言われても、むしろマスクしてるほうが暖かくてよい、って感じですよね。

自分は職業柄、在宅勤務や研究室で個人で過ごす(=マスクを外してる)時間が長いので、作業中にマスクが気になるということはまずないのですが、大部屋のようなオフィスだと、マスク外せないから嫌になってくるかもなぁ、なんて思うところ。

ということで、会話しないならマスクを外していいよという事業所が出てきたようです。この会社の仕組みの秀逸なところは、経営者が上から外していいよと言いつつ、社員はつけたままでも外してもいい(ただし会議とか応接とか会話の場面ではつけるの強制)というところ。これなら社員間のトラブルも少なそうですね。

しかもアンケートをとって効果を確認しているあたり、総務課というか人事課というか、そういうセクションの人であっても科学的な思考をできてるんだろうなと好感が持てます。

またこういう新しい取り組みを、単なる社長の思いつきではなく、計画的に実験するというのがダイジですよね。コロナ絡みだと何かと原理主義(絶対マスク派vs欧米では〜派)に陥りがちのところ、「やってみた」という感じで柔軟な実験としていろいろ試せるというのは、実は難しいことだったりもします。

コロナもまだ怖い存在とはいえ、いろいろな会社がこういう実験を柔軟な思考でいろいろと「やってみる」ことが、未来につながるんでしょうね。

 


カテゴリ: Public policy,Transition — Masa @ 7:26 AM

 

2022年9月13日

輸入魚介類の「持続可能性認証」ってどんなもんだろうか?

イオンでムール貝の味付き冷凍が売っていたので今夜食おうと思います。

でパッケージを見たら、

ASC認証と書いてありました。

イオンはMSCを含めとても認証に積極的ですが、日本全体には不思議なほど広まりませんね。

現実的に、日本の消費者が持続可能性の認証を受けた魚介類をどの程度選好するかと考えてみると、商業的なメリットはあまりないのかもしれませんね。

しかもムール貝自体はチリ産。カーボンフットプリントを考えると、わざわざ「認証された」ものを輸入するよりも、近所で採ったほうがいいじゃないかという考えもあるでしょう(しかし漁業権で保護されてる可能性が高いので一般人は勝手に取っちゃダメだけど)。

認証を通じて乱獲を防止するのは、輸出入される品種には必要だと思いますが、そもそも輸出入することがどうなん?、という疑問も考えないといけませんね。


カテゴリ: Fish,Food,Public policy — Masa @ 5:08 PM

 

2021年1月21日

「情動の10年」の終わり

バイデン大統領の就任演説を聴いていたら、なんかいろいろ、トランプ政権が悪かったのではなくて、「感情の赴くまま」を容認どころか大歓迎しているかのような世界こそが本当の「悪魔」なんじゃないかと思えてきました。

意見が違っても対話することの大切さも演説で強調されて、それこそがdemocracyだ、と言っていたように思います。

とはいえ、感情(情動)は、意見の違う人と話すことを忌避します。だって面倒だし疲れるから。

それを克服してきたのがこの二千年くらいの文明ってやつなんじゃないでしょうか。新約聖書だって妬みなどの感情を抱くことを戒めています。

しかしこの10年くらい、感情(情動)の重要性が、いろいろな側面で強調されてきました。というか理性と感情の不可分性も、科学的に議論されてきています。ナッジだって一種の情動を利用した社会工学なわけです。

自分はもともと、なんでもかんでも効用最大化、最適化問題を解くことこそが交渉による合意の本質であり、感情の排除こそが社会をよくすると思ってたので、無機質な交渉分析を前提に、ずっと授業や執筆をしてきました。

しかし、過去5年くらいはちょっと違うところもあるよなぁ、と、感情や共感みたいなものをかなり模索するようにしてました。

とはいえ、今日になって、やっぱし、感情に赴いては人間は終わりだ、とまた、方向転換が自分のなかで始まった気がします。

確かに人間なんて、所詮、ただの動物なので、脳のなかなんて、感情に支配されているのでしょう。しかし、そこで「立ち止まる」能力こそが人間を人間たらしめているわけです。

じゃぁなんでこの10年で人間が大幅な退化をしたのかといえば、やはり、「人々を感情になびかせることで利益を得る人々の台頭」なんじゃないかと思います。

それこそドナルド・トランプじゃないか、と思うかもしれませんが、トランプは結果であって、原因は別のところにあるのではないでしょうか。ひとつは、ソーシャルメディアというか、ネット広告というか、たぶんいちばん悪いのはYouTubeの広告料というか、熟慮のない感情的な判断を促すことを報奨するシステムがいつの間にか出来上がってしまったことでしょう。

これからの10年は、人々がいかに感情的な反応を抑えて、冷静にものごとを考えられるように、元に戻すのか。それを人類社会が2020年代にできれば、たぶんホモサピエンスはこれからも持続可能なのでしょう。逆に、2010年代のような「情動の10年」がこのままダラダラと続けば、ディストピア一直線なのかもしれません。