2017年11月24日
安藤忠雄展に行ってみた
今朝はGRIPSで会議だったのでお昼の時間を使ってお隣の新国立美術館で開催中の安藤展に行ってきました。いちお、都市計画の研究者のはしくれとして、見ておかないわけにはいきません。
展示ですが、基本的に、模型とスケッチで構成されていました。何より大混雑。スケッチは小さいので行列に並んで最前列にいかないと見えません。正直、作品集眺めているほうが楽しいです。
しかし、光の教会が原寸大(?)で再現されていて、これはなかなかよかったです。なかに入ってみると、意外と小さかったです。欧州のまちにあるような教会を勝手に想像してたので、想定外。
また、光の教会って、写真で見ると十字架のところが光で飛んで白く輝くのがポイントなわけです。まさにインスタ映え度高し。しかし、実際に建物の中で見ると、スリットの向こう側の景色が普通に見えるんですね。で、この再現展示の場合、乃木坂のパッとしない茶色の古びたマンション建築がスリットの向こうに見えるんです。まさに興ざめ。実物の光の教会のスリットから見える景色ってどうなってるんでしょうね?
あともうひとつよかったのが、東京大学(本郷)の福武ホールの展示。模型だと、道路と建物を隔てる例の「壁」が存在しますが、初期のスケッチでは壁などどこにも描かれていません。むしろ、道路の下にも空間を確保して、地上部は1階建ての平屋になっています。空間への影響を最低限にしようとしたんでしょうね。しかし現実には2階建てで、道路からの視線を遮る壁まで立てられてしまいました。当時からいろいろ噂を聞いてましたが、実際に安藤氏の初期提案がずいぶん違ったものであったことを確認できて、個人的になんかスッキリしました。
ということで、全体としてみれば、わざわざ行かなくてもいいかもなぁ、という展示でしたが、個人的にはいくつかおもしろい発見があったので、ヨシとします。