2023年1月11日
経済性・効率性以外で語ることがアウトオブ眼中な政策形成
いまこの本、読んでます。
まだ全部読んでないのですが、1章でだいたい要旨がわかります。文体が非常に読みやすいのがよし。
で、内容ですが、1970年代から1980年代にかけて、ワシントンの政策形成が「経済学スタイル」に毒されて、現在ではそのスタイルにフィットしない言説・政策提案は正統性が認められず無視されるようになったことを、歴史を紐解きながら明らかにしています。
その結果、福祉や環境といった分野で、絶対守るべき基準とか、最低限の権利とかの主張が、このスタイルに適合しないので、無視されるようになったとのこと。
しかもこのようなスタイルを推進したのが民主党の中道派で、一部の共和党の利害と一致して、ワシントンの制度として「経済学スタイル」が確立したとのこと。
自分の「交渉による合意による政策形成」なんていうのも、パレート最適なんて話をしている時点で、もろ「経済学スタイル」にハマっているのかもしれませんね。
日本でも、霞が関とか自治体の政策形成がどういうパラダイムに囚われているのか…この本みたいに、みんなが気づいていない見えない「檻」を「見える化」できると、全く新しい政策の形が見えてくるような気がします。