2024年11月14日
今回の学会は厳密にはバルセロナではなく、バルセロナ市から郊外電車Rodaliesで40分くらい離れたところにある、シッチェス(Sitges)という街での開催でした。
正直どんな街か、ほとんど理解せずに行ったのですが・・・ここは、いい!
海辺の街で、熱海や片瀬海岸をコンパクトにしたような感じでした。砂浜沿いに遊歩道が整備されていて、ゆったりと海を散歩できました。秋になってオフシーズンだったせいもあってか、観光客の人混みもなく、地元民がビーチを犬と散歩したり、子供が遊んだり、とにかく長閑な、海沿いの小さな街でした。
日没は水平線に沈むわけではないのですが、とてもキレイな夕暮れ。
学会会場のホテルは、円安ではとても手が出ない値段設定だったため、25分くらい歩いたビーチフロントの宿に敢えてしてみたのですが、ここも最高でした。
広いバルコニーから地中海を眺めながら、スーパーで買ってきた安ビールとおつまみでマッタリ。リゾート感max!
翌朝も海沿いを散歩してみましたが、たまーにランニングしたり、犬の散歩させたりしている地元民に遭遇する程度で、ほんと、穏やかな時間を過ごせました。
プライベートで2~3泊したくなるような街でしたが、弾丸出張の1泊でも、海が好きな自分としては十分満喫できました。
都市計画とか交通計画とかの分野で、最近、バルセロナがアツいんですわ。まさに「燃えろバルセロナ」((c)日出郎大先生)。
そのひとつがスーパーブロックという、街路の歩道化みたいな事業。
バルセロナの新市街地自体が近代都市計画の見本みたいなもので、グリッド構造&斜めの大街路を組み合わせて交差点に広場を設けるという、ワシントンDCなどと同じ都市構造。
で、従来、街路は自動車の通行のために使われていたわけですが、最近になって、複数のブロックをひとつにまとめた「スーパーブロック(Superille)」を新た位置付けて、そのスーパーブロックの内部の街路は歩行者や住民のために再構成する取り組みが始まっているそうです。
Google Mapで”Superille”と検索してみて、アクセスのよさそうだった、Eixample地区とRocafort-Consell de Cent地区のスーパーブロックを視察してきました。
Eixample地区は学校とコラボしているのか、学校がどうのこうのと掲示されていましたが、規模が小さい感じがしました。街路を封鎖して、ありがちな木の箱とかを置いて、パークレット風情にしてるだけの感じ。もしかするとこれから整備が進むのかもしれません。
Rocafort-Consell de Cent地区は整備が終わっているのか、かなりの街路が歩行者用に再整備されていました。
とはいえ歩行者専用ではなく、クルマも進入できるようになっていて、けっこう、入ってきていました。ただし交差点部の中心は公園化されていて、クルマはその脇を徐行する感じでした。
植栽にもParc i Jardinsという掲示があり、完全に公園扱いですね。
で、地域の人の憩いの場として機能していて、老人が休憩していたり、若者が寛いでいたり、赤ちゃんにミルクを与えてる父親なんかも見かけました。ベンチも例のホームレス排除のタイプではなく、寝転ぼうとすればできなくはないタイプ。でもホームレスは1人しか見かけなかったかな。
ということで魅力的な空間でしたが、同時にgentrification問題をすでに引き起こしている模様(今回参加した学会でも報告がありました)。で、こんな落書きも(”free housing for all, tourists go home”)。
バルセロナはオーバーツーリズム問題がひどくて、住民らが「観光客帰れ」デモを行ったほど。民泊が儲かるものだから、住民が追い出されて民泊が増えて、家賃高騰を引き起こしちゃっているんでしょうね。
魅力的な都市整備をすると金持ちが闖入してきてコミュニティが失われる、それは自由資本主義なら正しい帰結なんでしょう。しかし、ひるがえって地域住民からすると、それならいっそのこと魅力的じゃないほうがよい、と思えてくるので、むしろ衰退していく・・・という負のスパイラルに陥る。どうしたもんでしょうかね。
2024年11月13日
宿のバルコニーから人の動きの観察をしていると、自転車のなかでシェアサイクルが占める割合が非常に高いことに気がつきました。
時間帯によって利用率は変わるんでしょうが、朝の通勤時間帯は半分近くが赤いシェアサイクルだったような気がします。
しかし街を歩いていて、ステーションをあまり見かけなかったので、どうしてこんなにみんな使っているのかしら?と不思議になりました。政策的にうまくやっているんでしょうね。