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2025年6月28日

IST2025:1日目、まずは英国トランジットへ

年に1度は国際学会で発表するように心がけていますが、今年はInternational Sustainability Transition Conferenceへ。今年の開催都市はポルトガルのリスボン。

今回はBA8便でヒースロー経由で向かいます。

羽田には7時過ぎに到着。まだ6時台だと京浜東北線も激混みじゃないからいいですね。もう少し遅い時間だと、大混雑の通勤電車にスーツケース持ち込むことになって、本当、嫌なんですよ。

セキュリティチェックは意外とガラガラ。10分くらいで通過できました。

前日にネットでチェックインしたらExit Rowが空いていたので当然ゲット。おかげで壁に寄り掛かりつつ足下広々空間で寝れました。時差ボケ対策で離陸直後から寝たほうが本当はよいのですが、エコノミーなので後ろの人の存在も気になるのでミールサービスを終えてから爆睡。

英国時間でAM10時頃に起床。ノートPCで溜まった仕事を処理。しかしダイジなファイルをダウンロードし忘れていて、通常の機内WiFiもけっこうお高いので、正午頃には中断。英国航空ってマイレージの会員になっていれば、LINEなどメッセージング系のアプリの通信限定であれば、機内WiFi無料なんですね。やってみましたがLINEで連絡する必要のある相手もおらず…自分にはあまり意味なかったです。

ほぼ定刻どおりにヒースロー着。シティの真上を飛んでテムズ川のまわりがよく見えて観光気分でしたが、乱気流で急降下したため一気に船酔いモード(泣)。着陸後すぐに治りましたが昔の自分ならゲロリアン必至でしたでしょうね。

ヒースローの乗り換えが怖くて4時間くらい余裕をとっておいたのですが、サファイアの特典でFast Trackを使わせてもらえたのもあり、超速で通過できました。ということでラウンジでダラダラお仕事。けっこう捗りました。


カテゴリ: Europe,Lisbon,Travel — Masa @ 11:30 AM

 

2025年6月4日

“Best Offer”を正直に言うやつはいない|アメリカ 関税交渉めぐり 各国に最善案の提示を求める書簡

7月8日の期限まであと1ヶ月、トランプ政権も焦りだしたようです。


アメリカ 関税交渉めぐり 各国に最善案の提示を求める書簡

Exclusive: US pushes countries for best offers by Wednesday as tariff deadline looms

水曜日までに各国は”Best Offer”を提示せよ、とのリクエストをしたとのこと。そのOfferを検討したうえで、”a possible landing zone”を回答する旨も伝えているとな。

2者間交渉ではZOPA: Zone of Possible Agreement(≒交渉による付加価値)の取り合いの側面がありますから、最初から「自分はここまで譲歩できます」と正直に言ってしまうと、相手に付加価値を全部もっていかれます。なので、交渉において「どこまで譲歩できるか」を正直に言うことは絶対にありません。もちろん馬鹿正直に言ってしまう輩もいるのでしょうが、そういう人は付加価値を相手にすべて搾取されるわけです。

当然それをわかったうえで、米国は”Best Offer”を提示せよと言ってきているわけでしょう。

なので各国は、どのようなOfferを出すか・・・いまごろかなり悩んでいるでしょう。

水曜日まで、と期限を非常に短く切っているあたり、なかなか狡猾ですよね。というのも、時間に余裕があると、各国が協調できて(≒ある意味カルテルを結ぶ)、みんなでキツめのOfferを米国に出せてしまうので、それを防ぐために時間の余裕を持たせていないのでしょう。多国間連携ができれば、みんなでキツいBest Offerを出して、米国がギブアップするのを待つという戦略が可能で、そのような世界線はとても見てみたい気がします。当然そこで抜け駆けしてトランプに擦り寄る国も出てくるでしょうが・・・。

最終的には、それぞれの国のBATNA(≒とんでもない関税が導入されたときに蒙る被害)次第で、この書簡を無視する国も出てくるかもしれないですね。「別に米国と取引できなくても・・・結局困るのは米国ででしょ」と言える国はつおいです。ある意味チキンレースですね。中華人民共和国はかなり強気に出るような気がします。

ただし要求において”Best Offer”という言い方をしていて、”Final Offer”とは言っていないのは救いかもしれません。交渉では最後通牒戦略”Take it or leave it”といって、自分にとって一番都合の良い条件(相手にとってギリギリ受諾できる条件)を出したうえで、呑むか吞まぬか、2者択一を迫る戦略があります。これは非常によくない戦略で、合意可能であったとしても、その「不公正」さから、破談に至るケースが十分考えられます。たぶん各国はFinal Offerなんて出したくないでしょうから、”Best Offer as of now”みたいな言い方にして、交渉の余地を残した回答するんじゃないかと思います。

さて、どうなることやら。


おとしどころの見つけ方 世界一やさしい交渉学入門


カテゴリ: American politics,Negotiation — Masa @ 7:26 AM

 

2025年5月17日

追浜工場閉鎖に思うトランジションの意味

たまげました。

日産が神奈川の追浜と湘南の2工場閉鎖へ…世界7工場削減計画、海外はメキシコや南アフリカなど

日本各地で自動車産業に限らず大規模な工場やプラントの閉鎖が続いているとは思いますが、自分としては「追浜工場の閉鎖」ほどビックリなニュースは初めての経験に思います。

自分は横浜市金沢区で幼少~青年期を過ごしたのですが、日産の追浜工場というのはやはり地域において大きな存在だったわけです。工場がなくなってしまうと、周辺にたくさんある下請け業者や工場も影響を受けるでしょうし、追浜駅前の飲食店も影響を受けるでしょうし、工場や下請けに勤めている人の家族に関連する産業(不動産、小売など)も影響を受けるでしょうし・・・その他諸々の仕事が追浜のあたりから一気に消えてしまうように思えてきます。当然、自分の小学校の社会科見学は追浜工場でした。それくらい「追浜」イコール「日産の工場」のイメージが強いですし、実際そうなんじゃないかなと思います。


(遊漁船からみた追浜工場)

金沢区は船宿も多いので、いまだに自分は野島のあたりへ行くことも多いのですが、早朝に行くと、新車満載のキャリアカーが夕照橋を行ったり来たりするのが日常の光景だったのですが、あれがすべていなくなってしまうのかと想像すると、「ぽっかりと穴が開く」感じなんだろうなと、戦慄を覚えます。

日本の自動車産業は、電動化へのトランジションに抗っていたら今後凋落するのは理論的に必至かとは思います(しかし比較的前向きだった日産が最初に不調をきたすのは残念)。トランジションは旧来産業の崩壊が不可避のため混乱は致し方ないのですが、自分がよく知っている街が影響を受けるとなると、なんだか、心が揺らぎます。だからこそ、旧来産業から未来の産業へのトランジションの円滑化(雇用対策など)がダイジなのですが、現実は、こういう感じで、現場での影響は突然あらわれて、混乱するものなのかもしれません。だからといって、世界規模で気候変動対策のトランジションを止めるわけにはいかないので・・・悩ましいです。

先月の報道ではEVの生産を追浜から栃木工場に移管することにした(日産、栃木でEV「リーフ」を生産 追浜工場から移管)ようですし、それを前提にした追浜工場の閉鎖なのかな、とも思います。逆に栃木工場(とその周辺)は今後も安泰なのでしょう。

まぁ、諸行無常、というところなのでしょうか・・・。


カテゴリ: Automobile,Public policy,Yokohama — Masa @ 8:15 AM